セッセと節約生活
未曾有の不況を乗り切るべく、節約ネタ中心に日常を綴っていきます。
専門話の言い換えは難しい
 もう一つFX(為替)の話。きのう6月12日付けの日経新聞で、FXの入門記事を目にした。『ここがポイントFX 「売りから入る」とは? 下落相場でも利益獲得』という見出しの記事。株のように買い持ちが基本で空売りはちょっと面倒な取引と違って、FXでは売って差益を得るのも簡単という、よくある解説記事だったのだが。なんとなくしっくり受け取れなかったのが以下の表現。

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 ただし、売りから入る取引では手数料がかかる場合があるので注意が必要だ。FX取引では円など低金利通貨を売って豪ドルなどの高金利通貨を買い、保有し続けると、投資家はその金利差分に応じたお金を「スワップポイント」としてFX会社から毎日受け取れる。
 逆に、高金利通貨の売り持ち高をつくると「スワップポイント」はマイナスとなり、投資家側がFX会社に支払う必要が出てくる。買いから入る場合よりも、取引コストがかかることになる。
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 売りから入る場合は「手数料」がかかるという表現だと、1回いくらというようなFX会社が受け取る手数料のように感じる。あるいは、手数料というと、売値と買値の差としてFX会社が取る「スプレッド」のようにも感じてしまう。記事ではその後で、それは「スワップポイント」と呼ばれる、2つの通貨の「金利差」から必要になるコストですよという正しい説明はしている。

 ただ、今の日本は超低金利なので、たいがい売りの時は払うことになるけれど、通貨の組み合わせによっては売りの場合にスワップがもらえるケースもあるわけで。ちょっと調べたら、米ドルとカナダドル(USD/CAD)やユーロと英ポンド(EUR/GBP)の取引がそのよう。

 まぁだいたいは日本円で取引するから、普通は売りはコストがかかると思っていていいとも言えるが、なんとなくスッキリしない…。初めて読む人には誤解を与えそうだし、少しだけ知っている人は、かえって混乱する書き方という気がする。

 そうでなくても、買いの場合は金利差分を受け取れると言っているのに、「(売り持ち高を作ると)買いから入る場合よりも、取引コストがかかることになる。」というのも、なんだかヘン。買いなら取引コストがかかるばかりか、もらえるのでしょう? だったら「買いから入る場合と違って、取引コストがかかることになる。」とすべきところじゃないのかな・・・。さらにわからないのが、記事の最後の部分。

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 マネーパートナーズの武市佳史氏は「売りから入る投資家は、特にユーロ売りで取引をする傾向が強い」と話す。ユーロ・円やユーロ・ドルなどが人気の通貨ペアとされている。仕組みをよく理解した上で上手に使い分けて活用したい。
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 別に売り取引は、ユーロに限らないんでないの? そのときどきでレートが暴落しそうな通貨を売るんではないの? ギリシャはじめ南欧諸国やらアイスランドやらでもめた欧州危機の時期は、多くの人がユーロ売り一辺倒だったと話を限定するならわかるけど・・・。ユーロ/円の取引だって一昨年の秋は1ユーロ100円を切っていたのが、アベノミクスを経た今では140円近くに上がってるんだから、そんなのを売ってたら大変なことになるし。もちろん根本的なユーロ圏の危うさは解決してないから、これから売るチャンスがきっと来ますよという意味を含めているのかな? なんだかそのへんの事情を書かないで、単にユーロを売る投資家が多いと書かれても・・・。

 もしかしてあれかな? 6月という時期だから、駆け出し記者が練習のために書いた記事なのかな? それにしても普通は、デスクや整理部などで直されないのかな。直すというより、こりゃ全面書き直しした方がいいんじゃなかろうか。読売新聞や朝日新聞のような一般紙ならともかく、経済を看板にしている日経新聞なんだから、もう少し分かりやすい記事を出して欲しいものだと思った。

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日本経済新聞、2014年6月12日付、5面(マーケット・投資2)、「ここがポイント FX」記事より引用